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今さら聞けないPC-9821 (PC-9821はどんなパソコン?)

PC-9821というパソコンは聞いたことあるでしょうか?
PC-9801なら聞いたことある?
PC-9821の"21"って21世紀の"21"?

PC-9821というパソコンはどんなものでしょうか?

PC-9821はPC-9801というパソコンの後継機種

昔、NECから発売されていたパソコンで"PC-9801" という機種があり、そのシェアは日本で一時期90%と言われていました。
PC-9821とはNECから販売されていたPC-9801の後継機のパソコンのことで、PC-9821という型番から始まる機種です。

大体1993年から2003年にかけて販売されていました。

下の写真はPC-9821V13というPC-9821としては後期で1996年の機種になります。

PC-9800シリーズと言えはパソコン本体が平べったく、そのパソコンの上にディスプレイを置くというのがスタンダートでした。

お値段はディスプレイを含め大体25万~40万だった気がします。
超高級パソコンですが、解像度が640×400だったり、色は4096色中16色、音は別途音源ボードを買わないといけないなど、いまのパソコンと比較すると当然スペックが格段に低かったりします。


PC-9821でできること

PC-9821の機種にもよりますが、インターネット、パソコン通信、音楽作り、ゲーム、ワープロソフト、表計算ソフト、お絵かきソフトなど何でもできます。
しかし、昔のパソコンなので今時の操作性を求めてはいけません。

令和の時代では、PC-9821でインターネットをしても仕方がないので、あえてできることと言えば、昔のエロゲームを遊ぶでしょうか?

こんなの(↓)とか遊べます。


PC-9821のハードウェア

PC-9821のハードウェアを見てみましょう。
PC-9821のハードウェアの種類としては、

  • MATE-X(VALUE STAR)系
  • CanBe系
  • MATE-A系

の3種類に分けることができると思います。

今回はPC-9821の中でもDOS/V機に一番近いと思われるハードウェアのMATE-X(VALUE STAR)系を見ていきます。
2023年では見なくなったコネクタが多数あります。

本体正面

■①電源スイッチ
本体電源をON/OFFするスイッチです。
■②リセットスイッチ
本体の電源をOFFにしないで、電源をONにした直後の状態に戻すためのスイッチです。
本当に後期のPC-9821にはリセットスイッチが付かなくなりました。
■③電源表示LDE、HDDアクセスランプ
左が電源表示LDE。電源のON/OFFを表示します。
右がHDDのアクセスランプです。
■④3.5インチフロッピーディスクドライブ
3.5インチのフロッピーディスクを差し込みます。
■⑤CD-ROMドライブ
CD-ROMをセットしてデータを読み込みます。
ちなみに写真のPC-9821はDVD-ROMドライブに交換してあります。
■⑥内蔵スピーカー(モノラル)
内蔵音源から音声を出力します。モノラル音声です。

本体背面

■①AC電源コネクタ(入力)
ACコンセントから本体に電源を供給するためのコネクタです。
■②AC電源コネクタ(出力)
ディスプレイなどの周辺機器に電源を供給できるコンセントです。
本体の電源スイッチと連動しているので、本体がONになったとき自動で給電されます。]
ちなみに、AC100V-3Aで消費電力が約180Wを超える装置は接続してはいけないようです
■③空冷用ファン
内部の熱を逃すファンです。壁などでふさがないように。。。
■④拡張用スロット
本体の機能を拡張するためのボードを挿入するためのスロットです。
写真のパソコンでは2スロット用意されていて、"LANボード" と "サウンドボード" が取り付けられています。
■⑤キーボード用コネクタ
キーボードを接続するためのコネクタです。
NEC独自仕様でDOS/VのPS/2のコネクタとは互換性がありません
■⑥マウス用コネクタ
マウスを接続するためのコネクタです。
こちらもNEC独自仕様でDOS/VのPS/2のコネクタとは互換性がありません
■⑦プリンタ用コネクタ
プリンタを接続するためのコネクタです。
■⑧シリアルコネクタ
SERIAL(1)、SERIAL(2)と2つあります。
通信をおこなう機器(モデムなど)やスキャナなど取り付けます。
■⑨アナログRGB出力コネクタ
アナログRGB入力対応のディスクプレイを接続するためのコネクタです。
■⑩アナログRGB入力コネクタ
別売りで購入したグラフィックボードと本体を接続するためのコネクタです。
■⑪PCIスロット
高速なデータ転送ができるPCIに対応したスロットです。
写真ではグラフィックボードが付いています。
■⑫オーディオ入力・出力端子(ステレオ)
左がLINE IN。右がLINE OUT。
ミニジャック端子です。


PC-9821の注意点

注意点です。

DOS/V用のマウスやキーボードは流用できない

PC-9821のハードウェアでも少し触れましたが、PC-9821(というかPC-9800シリーズ)のマウスやキーボード端子はNEC独自のものなので、DOS/V用のマウスやキーボードは流用できません。

DOS/VのPS/2端子に似ていますが、違います。

↓Windowsキー付きPC-9821用キーボード。

一太郎Ver5に付いてきたオーバーレイシート付きです。
オーバーレイシートは一太郎Ver5.
これが乗っていないPC98キーボードってあり得ません!(暴言)

↓マウスとバザールでござーるのマウスパッド。

9821の内臓HDDはIDE規格

初期の9821は自信がないですが9821の内臓HDDはIDE規格です。
昨今のM.2やSATAより過去の規格になるので、インターフェースが違います。
下の写真のようにピンがいっぱいあります。

なお、最近ではIDE HDD事態の入手が困難になっているのでIDEからSATAに基盤によって変換する方法や、CF(コンパクトフラッシュ)に変換する方法、SDカードに変換する方法など色々あるようです。

IDE HDDの容量の壁

9821では認識できるIDE HDDの最大容量は発売されていた時期で異なり約544MB、4.3GB、8.4Gバイトの機種が存在します。
例えば、管理人の所有しているPC-9821V13は4.Gまで、PC-921Ra43は8.4Gまでといった風になっています。
自分が所有している(購入予定の)98の最大容量はネットを調べれば出てくると思うので、調べておくのがよいと思います。

認識できる最大容量以下のHDDが入手できない場合は、HDDの容量をソフトウェア的に縮小させるか、9821の最大容量以上に認識させるパッチ(?)を9821へ適用するかになると思います。

なお、管理人はHDDの容量をソフトウェア的に縮小させる方法(↓)をとっています
大容量IDE HDD/SSDをPC-98で使うために容量を縮小する - PokuG stdio.h


HDDの容量問題はこの他にも色々ありますが(例えばOSの制限)、この辺にしておきます。

終わり

以上、今さら聞けないPC-9821再入門 (PC-9821はどんなパソコン?)でした。

ちなみに、PC-9821の設置に適した場所は以下みたいです。

結構条件キビシイデスネ。今のパソコンも同じでしょうか?

なお、冒頭に言っていたPC-9821の"21"はどのような意味なのかは管理人はわかりません。

PC-9821の概要がぼんやりわかったなら次は ”揃えなければいけないもの” の紹介です。
内容は以下リンクから。
今さら聞けないPC-9821を使用するのに揃えなければいけないもの - PokuG stdio.h