"PC-9821V13" に118音源ボートを取り付け、MS-DOSでFM音源の音を鳴らそうと思います。
管理人は大昔、"PC-9821V13"と"118音源ボート"でえろゲームやってたんですよ。
あと2022年代では管理人所有の”初期 98MATE VALUESTAR” の地位が壊滅的に低いので、その地位向上のために86音源ボードではなく、若干安い118音源ボードで安価にPC98後期のMS-DOSをなるべく(全部ではない)プレイできる環境を作成したいと思います。
以下のページを参考に設定をするので、この記事を読む場合はこのページとの二窓で見た方がわかりやすいかもしれません?
PC-9801-118(118音源ボード)の情報メモ書き - PokuG stdio.h
前提条件
以下の環境を前提としています。
- PC-9821V13に付ける拡張ボードは "118音源ボードのみ"
- 118音源ボードでMIDIは使用しない
- MS-DOSはWindows95のDOS(DOS7.0、DOS窓)ではなく、Windowsとは別パーティションにインストールしたMS-DOS6.2の環境で音を出す
- MS-DOS、Windows両方で音を出すように設定する
PC-9821V13の仕様のジャンパスイッチを確認する
パソコン本体グループの確認
まずはパソコン本体グループの確認です。
このページの ”パソコン本体グループ” を確認します。
以下表の抜粋です。
パソコン本体グループ(3) | PCM録音再生機能(WSS)のみを有する本体 TYPE1 (PC98本体のサウンドの割り込みをINT5以外に設定する必要あり) |
PC-9821Xs、PC-9821Xp、PC-9821Xn、PC-9821Xa、PC-9821Xt、PC-9821Xf、PC-9821Xa7、PC-9821Xa9、PC-9821Xa10、PC-9821Xa12、PC-9821Xt13、PC-9821Xe10/C4、PC-9821Xe10/S15、PC-9821Xa7e、PC-9821Xa13、PC-9821St15、PC-9821Np、PC-9821Nf、PC-9801BX4※、PC-9821Xe10/4※、PC-9821Xb※ | |
パソコン本体グループ(4) | PCM録音再生機能(WSS)のみを有する本体 TYPE2 (必ずPC98本体のサウンドを切り離し、PnPモードで使用する) |
PC-9821V7、PC-9821V10 |
上のグループの表からPC-9821V13は"(4)"のような感じですが、実は"(3)"みたいです。
説明書では"PC-9821V7、PC-9821V10"となっていてVALUESTARシリーズが(4)みたいな記述ですが色々試していたら(3)で音がなりました。
((4)でも音が鳴るかもしれませんが管理人は過去できなかった記憶があります)
結論としてPC-9821V13は "パソコン本体グループ(3)" に決定です。
そして、パソコン本体グループ(3)の注意事項として、"PC98本体のサウンドの割り込みをINT5以外に設定する必要がある"ことを覚えておきます。
使用する118ボードの機能の確認
次はこのページの ”使用する118音源ボードの機能” を確認します。
PC-9821V13はパソコン本体グループ(3)なので以下になります。
パソコン本体グループ | PCM録音再生 | FM音源機能 | MIDI/ジョイスティック端子 |
(3) | PC98本体 | 118ボード | 118ボード |
PCM録音再生はPC-9821V13本体のものを使用します。
実際のジャンパスイッチの設定確認
次からはジャンパスイッチの設定を確認します。
このページの ”ジャンパスイッチの説明” を上から確認します。
ジャンパスイッチ1(PnPモードの設定)
PnPモードの設定です。
MS-DOSで音を鳴らす場合、非PnPモードにする必要があるので、ジャンパスイッチ1はOFFに設定します。
スイッチ1 | |
OFF | 非PnPモード |
ON | PnPモード |
ジャンパスイッチ2,3,11(パソコングループの設定)
パソコングループの設定です。
PC-9821V13の"パソコングループは(3)" なのでジャンパスイッチは以下になります。
スイッチ2 | スイッチ3 | スイッチ11 | |
OFF | OFF | OFF | パソコングループ(2),(4),(5) |
ON | OFF | ON | パソコングループ(3) |
OFF | ON | OFF | パソコングループ(1) |
ジャンパスイッチ4(設定禁止 ON固定)
ジャンパスイッチ4は"ON固定"です。
ジャンパスイッチ5,6(FM音源割り込み設定)
FM音源で使用するのINT(IRQ)の値を設定します。
非PnPモードの場合かつ、パソコングループ(2),(3),(4),(5)の場合設定する項目です。
今回は工場出荷時の"INT5(IRQ12)"の設定にしておきます。
スイッチ5 | スイッチ6 | |
OFF | OFF | INT5(IRQ12)(出荷時設定) |
OFF | ON | INT41(IRQ10) |
ON | OFF | INT6(IRQ13) |
ON | ON | INT0(IRQ3) |
"INT5(IRQ12)"を選んだ理由ですが、86音源の標準は"INT5(IRQ12)"だった気がするので合わせればDOSのゲームが認識してくれる確率が上がるのではないかと言う、根拠のない期待を込めての"INT5(IRQ12)"を選びました。
ジャンパスイッチ7(DMAチャネルの設定)
DMAチャネルの設定です。
ジャンパスイッチ7はPnPモード有効に設定可能らしく、今回は非PnPモードで設定するため工場出荷時のOFFにしておきます。
スイッチ7 | |
OFF | DMAを1チャンネルにする(出荷時設定) |
ON | DMAを2チャンネルにする |
ジャンパスイッチ8,9(PCM音源割り込み設定)
PCM音源で使用するのINT(IRQ)の値を設定します。
非PnPモードでかつ、パソコングループ(2),(4),(5)の場合設定する項目なので、”パソコングループ(3)"のPC-9821V13は工場出荷時の設定のままにします。
スイッチ8 | スイッチ9 | |
OFF | OFF | INT5(IRQ12)(出荷時設定) |
OFF | ON | INT41(IRQ10) |
ON | OFF | INT6(IRQ13) |
ON | ON | INT0(IRQ3) |
ジャンパスイッチ10(MIDI割り込み設定)
MIDIで使用するのINT(IRQ)の値を設定します。
今回は118音源ボードでMIDIを使わないので"ON"に設定します。
スイッチ10 | |
OFF | 割り込みをする(出荷時設定) |
ON | 割り込みをしない |
ジャンパスイッチ12(設定禁止 OFF固定)
ジャンパスイッチ12はOFF固定なので、そのままにします。
完成
完成です。
下図のようにジャンパスイッチを合わせます。
PC-9821V13実機での設定
ジャンパスイッチの設定
118音源ボードのジャンパスイッチを確認した値に設定します。
PC-9821V13に118ボードを取り付ける
118ボードを取り付けます。
PC-9821V13本体のサウンド割り込みを変更する
パソコン本体グループでも書きましたが、"パソコン本体グループ(3)" はPC98本体のPCMを使用し、"割り込みをINT5以外に設定する必要がある"ので"システムセットアップメニュー"からサウンド割り込みチャンネルを変更します。
今回はINT41(IRQ10)に設定します。
※118音源ボードでMIDIを使用したい場合はINT41(IRQ10)以外に設定します
これを設定した時点でMS-DOSのゲームからはFM音源の音が鳴ると思います。
Windows95のサウンド設定
Windows95で "PC-9821V13本体のPCM音源の設定" と "118ボードのドライバのインストール" をおこないます。
今の状態のままWindows95を起動すると、スピーカーから謎のノイズ音が出ると思うので、Windows95を起動する前にスピーカーの音量を下げておきましょう。
PC-9821V13本体のPCM音源割り込み設定の変更
"システムセットアップメニュー"でPC-9821V13本体のPCM音源割り込みをINT41(IRQ10)へ変更したので、Windows95の設定も変更します。
■デバイスマネージャーを開く
"デバイスマネージャー" を開き、"Mate-X PCM"のプロパティをクリックします。
■Mate-X PCMのプロパティ
Mate-X PCMのプロパティでIRQが12(INT5)になっています。
この値を変更します。
Mate-X PCMのプロパティ画面で、"自動設定" のチェックを外し、IRQをダブルクリックします。
■IRQの編集
値を"システムセットアップメニュー"で設定した"10"INT(41)に設定し"OK"ボタンを押します。
■Mate-X PCMのプロパティ
Mate-X PCMのプロパティでIRQが10(INT41)になっていることを確認し"OK"をクリックします。
■Windowsの再起動
Windows95を再起動します。
118音源ボードのドライバインストール
■ドライバのダウンロードと解凍
ここからダウンロードしたドライバを解凍します。
今回は以下に解凍しました。
- A:\temp
■コントロールパネル
コントロールパネルのハードウェアをクリックします。
■ハードウェアウィザード
次へをクリックします。
■ハードウェアウィザード
サウンド、ビデオ、およびゲームのコントローラーを選びます。
■ハードウェアウィザード
ディスク使用をクリックします。
■フロッピーディスクからのインストール
参照をクリックします。
■ファイルを開く
ドライバを解凍したフォルダを設定します。
■フロッピーディスクからのインストール
OKをクリックします。
[:W500]
■デバイスの選択
非PnPモードでパソコングループ(3)、MIDIは使用しない設定なので、以下を選択します。
"PC-9801-118 非PnPモード(パソコン本体③)MIDI割り込み未使用"
■ハードウェアウィザード
次へをクリックします。
■ハードウェアウィザード
完了をクリックします
■システム設定の更新
OSを再起動します。
■確認
無事、118音源ボードのドライバが入りました。
MIDIファイルを無理やりFM音源で鳴らすことも可能です。
終わり
以上、"PC-9821V13に118音源ボートを取り付け、MS-DOSで音を鳴らすための設定をする"でした。
118音源ボードのPCMをDOSでも鳴らせたような鳴らせなかったようなで記憶があいまいですが、今回の設定だけでは絶対にDOSでPCMの音は出ないと思います。
とりあえずこの設定でPC-98後期に出たMS-DOSソフトは結構の数のものが音が出るのではないでしょうか?