PC-9821のHDD交換シリーズです。
今回はPC-9821V13の内蔵HDDをIDE SSDに交換するために、2022年6月現在amazonで販売しているIDE SSDの縮小をおこないます。
本記事は以下をする前準備の記事です。
pokug.net
はじめに
改造はメーカーの保証外の行為です。改造を行う場合、すべて自己責任でおこないましょう。
知っておきたい知識
PC98のHDD容量の壁について
パソコンは本体が認識できるHDDの容量に制限(最大値)があります。
昔のパソコンほど認識できるHDDの容量が小さくなります。
他サイトの表の丸パクリですが、PC98の場合はざっと以下な感じです。
容量制限 | 製品 |
---|---|
544MB(544MiB) | 94年6月以前のPC98 |
4.56GB(4.25GiB) | 94年6月以降のPC98 |
8.46GB(7.88GiB) | 97年5月以降のPC98 |
33.8GB(31.4GiB) | 97年5月以降のPC98 |
以下参考元。
www.amy.hi-ho.ne.jp
つまり自分の持っているPC98はどれくらいの容量までHDDが認識できるかを確認し、最大容量より小さいHDDを用意する必要があります。
用意するもの
IDE SSD(Transcend 32GB SSD 2.5インチ IDE TS32GPSD330)
2022年6月現在アマゾンで売っているIDE SSD。
32G。
私のPC9812V13で使うため容量を4Gへ縮小します。
2.5HDD変換ケーブル
PC98に標準装備の普通の3.5インチHDDと2.5インチSSD(HDD)ではピン数が違います。
よって変換ケーブルを用意します。
(2.5インチSSD(HDD)は電源を取るために4ピンほど多いんだと思います。)
IDE HDD縮小ソフト(IDE HDD Capacity Changer)
PC98は、容量の壁を超えたHDD をつなぐと、メモリカウント後にハングアップします。
今回のIDE SSDは32Gなので、容量を縮小する必要があります。
容量を縮小するためのソフトとして
"K.Takata's Web Page" 様が作成されている”ICC (IDE HDD Capacity Changer)”と言うフリーソフトを使用させていただきました。
※本記事では"DOS 版"を使用しています
"K.Takata's Web Page" 様のホームページに ”リンクフリー” の記載がなかったのでリンクは張りません。
ググればすぐに見つかると思います。
※IDE SSDはラズパイでチャレンジしましたが縮小できませんでした
考えられる原因は本記事の一番最後に記載しておきます。
MS-DOS6.2の起動ディスク
この起動ディスクにIDE HDD縮小ソフト(ICC)をコピーしておきます。
今回の構成
今回は以下の構成のノーマルPC9821です。
機器 | PC9821V13 |
---|---|
FDD | 1基 |
内蔵 HDD | 1台 |
内蔵 CD-ROM | 1台 |
手順の概要
大雑把には以下のような流れになります。
- MS-DOS6.2の起動ディスクにIDE HDD縮小ソフト(ICC)をコピーする
- 起動ディスクからMS-DOS6.2を起動する
- 縮小ソフト(ICC)でIDE SSDの容量を縮小する
IDE SSDの容量の縮小について
多くのPC98は容量の壁を超えたHDD をつなぐと、メモリカウント後にハングアップするので、まずはIDE SSDの縮小をおこないます。
しかし、SSDの縮小をおこなうにはSSDをPC98に付けなくてはいけないのですが、PC98に付けるとメモリカウント後にハングアップしてしまいます。
この回避方法として、SSDをスレーブに設定すればメモリカウント後にハングアップしないようです。
よって、以下の手順で実際に縮小します。
- SSDを一旦スレーブに設定する
- 起動ディスクでDOSを起動
- 縮小ソフト(ICC)を使い容量縮小
- SSDをマスターに設定する
詳細はICCのTXTに記載がありますので事前に読んでおきましょう。
なお、「マスター/スレーブって何?」という人は以下のリンクを見てください。
pokug.net
手順
MS-DOS6.2の起動ディスクに縮小ソフト(ICC)をコピーする
MS-DOS6.2の起動ディスクに縮小ソフト(ICC)をコピーします。
dirコマンドの結果です。
command.comの他には縮小ソフト(ICC)のみ入っています。
IDE SSDをスレーブに設定する
SSDの表面にマスター、スレーブのジャンパ設定の絵があります。
まずはスレーブに設定します。
ショート・ピンを取ればスレーブ。
IDE SSDをPC98に接続
2.5HDD変換ケーブルを使い、IDE HDDを接続。
MS-DOS6.2起動ディスクでPC98を起動
MS-DOS6.2起動ディスクでPC98を起動します。
メモリカウント後、HDDアクセスランプが付きっぱなしになり、60秒くらいして起動ディスクの読み込みが始まりました。
IDE HDD縮小ソフト(ICC)実行
以下コマンドを実行
icc -d1
"-d1" はPrimary-Slave に接続した HDD の容量を変更したい場合に指定するオプションみたいです。
詳しくはICCのTXTファイルを参照です。
容量設定
縮小させる適切な数字(MB)を入力します。
今回は "容量の壁" を余裕をもって下回りたかったので "3824" と入力しました。
IDE SSDをマスターへ変更
PC98の電源を落とし、IDE SSDをマスターへ戻します。
IDE SSDをPC98に取り付ける
取り付けます。
以上で縮小は終了です。
終わり
"IDE SSDをPC98で使うために容量を縮小する" でした。
IDE SSD化なのでCF化やSATA化のように変換基盤を使わないのでコレを使うのがシンプルで良い気がします。
また、IDEのSSDでなくIDE HDDでも可能かと思いますので、魔改造PC98をめざさないのなら、IDE HDDで容量の縮小をおこなえばよいと思います。
※HDDの種類によっては失敗するかもしれませんが。。。
つづき
pokug.net
IDE SSDがラズパイで縮小できない件
他の記事の"SATAの容量を縮小する" という記事でラズパイを使っていましたが、IDE SSDはラズパイで縮小できませんでした。
おそらくラズパイに繋いだIDE SSDは "SATAのHDDとして認識される" のでIDE HDDへ縮小コマンドを送っても失敗するものと思われます。(検証したわけでなく、適当に言っています)
ラズパイに繋いだIDE SSDをIDE HDDとして認識させればいけそうですが設定がめんどくさかったのでPC98のフリーソフトを使用させていただきました。