今回は大容量のIDE接続のHDD/SSDをPC-9821の標準の内蔵HDDと交換するために容量の縮小をおこないます。
本記事は以下をする前準備の記事です。
pokug.net
はじめに
改造はメーカーの保証外の行為です。改造を行う場合、すべて自己責任でおこないましょう。
知っておきたい知識
PC-98のHDD容量の壁について
パソコンは本体が認識できるHDDの容量に制限(最大値)があります。
昔のパソコンほど認識できるHDDの容量が小さくなります。
そして多くの98は容量の壁を超えたHDD をつなぐと、メモリカウント後にハングアップします。
他サイトの表の丸パクリですが、PC98の場合はざっと以下な感じです。
容量制限 | 製品 |
---|---|
544MB(544MiB) | 94年6月以前のPC98 |
4.56GB(4.25GiB) | 94年6月以降のPC98 |
8.46GB(7.88GiB) | 97年5月以降のPC98 |
33.8GB(31.4GiB) | 97年5月以降のPC98 |
以下参考元。
www.amy.hi-ho.ne.jp
つまり自分の持っている98はどれくらいの容量までHDDが認識できるかを確認し、最大容量より小さいHDDを用意する必要があります。
使用するもの
IDE SSD(Transcend 32GB SSD 2.5インチ IDE TS32GPSD330)
今回はIDE SSDを縮小します。
32GのIDE SSDを使用し、98で使うため容量を縮小します。
2.5HDD変換ケーブル
98のマザーボードとSSDをつなぐIDEケーブルです。
98内臓HDDは3.5インチHDDなので、2.5インチSSD(HDD)ではピン数が違います。
よってこのケーブルに変更する必要があります。
IDE HDD/SSD縮小ソフト(IDE HDD Capacity Changer)
容量を縮小するためのソフトとして
"K.Takata's Web Page" 様が作成されている”ICC (IDE HDD Capacity Changer)”と言うフリーソフトを使用させていただきました。
※本記事では"DOS 版"を使用しています
"K.Takata's Web Page" 様のホームページに ”リンクフリー” の記載がなかったのでリンクは張らないでおきます。
ググればすぐに見つかると思います。
MS-DOS6.2の起動ディスク
この起動ディスクにIDE HDD縮小ソフト(ICC)をコピーしておきます。
Windows95の起動ディスク
細かく言えば、Windows95の起動ディスクではなく、Windows95の起動ディスクを作った際に入ってきている「DISKINIT.EXE」が必要になります。
この「DISKINIT.EXE」はHDDを98で使用できるようにローレベルのフォーマットをおこなう感じのツールです。
もし起動ディスクに入っていなかったら、Windows95の
「A:\Windows\command]
以下にあるので、起動ディスクにコピーしておきましょう。
手順の概要
大雑把には「IDE SSDの縮小」をおこない、その後「縮小したIDE SSDのフォーマット」をおこないます。
もうちょと手順を分解すると以下になります。
- MS-DOS6.2の起動ディスクにIDE HDD縮小ソフト(ICC)をコピーする
- MS-DOS6.2起動ディスクから98を起動する
- 縮小ソフト(ICC)でIDE HDDの容量を縮小する
- Windows95起動ディスクから98を起動する
- DISKINIT.EXEでIDE HDDを98で使用できるようフォーマットする
IDE HDD/SSDの容量の縮小について
98は認識できる最大容量を超えたHDD をつなぐと、メモリカウント後にハングアップするので、まずはHDDの縮小をおこなう必要があります。
しかし、縮小をおこなうにはHDDを98に付けなくてはいけないのですが、98に付けるとメモリカウント後にハングアップしてしまいます。
この回避方法として、HDDをスレーブに設定し起動すればハングアップしないようです。
よって、以下の手順で実際に縮小します。
- HDDを一旦スレーブに設定する
- 起動ディスクでDOSを起動
- 縮小ソフト(ICC)を使い容量縮小
- HDDをマスターに設定する
詳細はICCのTXTに記載がありますので事前に読んでおきましょう。
なお、「マスター/スレーブって何?」という人は以下のリンクを見てください。
pokug.net
手順
IDE SSDの縮小
MS-DOS6.2の起動ディスクに縮小ソフト(ICC)をコピーする
MS-DOS6.2の起動ディスクに縮小ソフト(ICC)をコピーします。
dirコマンドの結果です。
command.comの他には縮小ソフト(ICC)のみ入っています。
IDE SSDをスレーブに設定する
SSDの表面にマスター、スレーブのジャンパ設定の絵があります。
まずはスレーブに設定します。
ショート・ピンを取ればスレーブです。
IDE SSDをPC-98に接続
2.5HDD変換ケーブルを使い、SSDを接続します。
MS-DOS6.2起動ディスクでPC-98を起動
MS-DOS6.2起動ディスクで98を起動します。
※メモリカウント後、HDDアクセスランプが付きっぱなしになり60秒くらいして起動ディスクの読み込みが始まりました
縮小ソフト(ICC)実行し容量縮小
以下コマンドを実行。
"-d1" はPrimary-Slave に接続した HDD の容量を変更したい場合に指定するオプションです。
icc -d1
上画像の黄色の枠のように縮小させる適切な数字(MB)を入力します。
今回はSSDを取り付けたい98のHDD認識の上限を8Gと想定しています。
※"8223"と入力したのは実際、98に内臓していた8GのHDDをICCで確認したところ、この数字だったので合わせました
IDE SSDをマスターへ変更
98の電源を落とし、SSDをマスターへ戻します。
一番右にショート・ピンを付ければマスターです。
IDE SSDをPC-98に取り付ける
マスターに設定スタHDDを取り付けます。
IDE SSDのフォーマット
Windows95起動ディスクでPC-98を起動
Windows95起動ディスクで98を起動します。
DISKINITコマンドを実行し初期化する
以下コマンドを実行します。
DISKINIT
その後流れに任せてSSDを初期化します。
FDISKで容量確認
縮小できたかをFDISKで認識します。
大体容量があっているのでヨシとします。
以上で縮小は終了です。