ちょっと変わった外付けSCSI HDDを所有しています。
以前から気になっていたのですが、このSCSI機器、HDDが怖いくらい熱くなるので、今更ながら予防保全(?)の観点から古いHDDを新しいSSDへ交換しようと思います。
あとSSDになるので、あわよくば性能も良くなってくれればいいなぁと思ってもいます。
注意点
改造はメーカーの保証外の行為です。改造を行う場合、すべて自己責任でおこないましょう。
機器が壊れたり、最悪燃えたりするかもしれません。
メルコ DSC-U30GTV(外付けSCSI HDD)
今回の外付けSCSI HDDは"Buffalo DSC-U30GTV"になります。
仕様
仕様は以下になります。
製品名 | DSC-U30GTV |
ディスク容量 | 30G |
インターフェース仕様 | Ultra SCSI(FAST-20) |
最大転送速度(理論値) | Ultra SCSI:20MB/sec SCSI-2:10MB/sec |
対応OS(PC-98使用時) | Windows98、Windows95、 Windows2000、WindowsNT4.0/3.51、 MS-DOS 6.2以降 |
発売日 | 1999年11月 |
メルコ脅威のメカニズム SDAT方式
この外付けSCSI HDDには "SDAT方式" というメカニズムが使われていたりしています。
SDATは "SCSI directed ATA transfer" の略で、実はこのSCSI機器に内蔵されているHDDはIDEのHDDです。
大雑把に言うと、SDATはSCSIのコマンドを解釈してIDE HDDをコントロールする技術のことで、これによりIDE HDDを見かけ上SCSIドライブとして利用可能としています。
特許出願済みです。
※上の写真は "DSC-UE8.3G"の箱です
また、アイ・オー・データ、ロジテックも同じような技術の製品を販売していました。
使用するもの
DSC-U30GTV
SDAT方式を採用している30Gの外付けSCSIドライブです。
IDE SSD
今回使用する外付けSCSIは中身がIDE HDDなので、IDE SSDを使用します。
製品は以下のものを使用します。
変換コネクタ
3.5インチIDE HDD(40ピン)を2.5インチIDE HDD or SSD(44ピン)へ変換する基盤です。
SinLoon 2.5インチノートPC IDE 44ピンメス-3.5インチデスクトップIDE 40ピンのオス変換器 アダプタカード
SSDのマウンタ
回転部がないSSDなので、宙ぶらりんのまま使用しても問題ない気がしますが、一応マウンタも用意します。
SSDが基盤に接触して動かなくなるとかコワいですし。
アイネックス(AINEX) 2.5インチSSD/HDD変換マウンタ HDM-34A
今回は無理やりSSDを取り付けるので、上の写真のように長細い穴があるものがよいと思います。
※長細い穴がSSDのねじの取り付け場所なのでSSDの取り付け位置を調整できるため
交換
フタを空ける
HDDが詰まっています。
ジャンク購入なので、元々写真のHDDが付いていたのかは不明です。
HDD取り出し
取り出したHDDは3.5インチIDE HDD(40ピン)です。
関係ないですがマスターのジャンパ設定が複雑なような気がします。
SSD取り付け
2.5インチは小さいですね。
若干SSDが斜めについているのはIDEのケーブルが斜めでないときちっと入らなかったためです。
よってマウンタとSSDはねじ1本で固定されています。
SSDは回転しないしおそらく大丈夫だろうの精神です。
交換後の確認
認識する容量
32GのSSDを付けましたが "30533Mバイト" と表示されています。
(交換前のHDDの値は撮り忘れました)
ちなみにfdiskでもこの値でした。
このSCSI機器の仕様として30Gなので、この数字が容量を認識する最大の値なのか、とれとも1Gバイトが1024Mバイトとの兼ね合いでSSDの32G全て認識していてこの値なのかは不明です。
まぁ、PC-98の環境で使用しているのですが、PC-98ではSCSIは32Gくらいまでしか認識できないようみたいですし、容量は大体あっているのでヨシとします。
SSDの熱について
交換前はHDDの時は怖いほど熱かったですが、SSDはアクセスがどれだけあっても "ひんやり" です。
成功です。
ベンチマーク(CrystalDiskMark)
CrystalDiskMarkでベンチマークです。
環境
以下の環境でのベンチマークです。
機器 | PC-9821Ra43 |
---|---|
SCSIボード | AHA-2940UW |
IDE HDD | MAXTOR 30G 5400回転 |
IDE SSD | Transcend 32GB SSD TS32GPSD330 |
領域の種類 | FAT16(512MByte) |
アプリ | CrystalDiskMark |
OS | Windows98SE |
上記環境でOS起動後一回だけベンチマーク実行しました。
一発勝負です。
結果と比較
"シーケンシャルの書き込み" と "512Kのランダムアクセスの書き込み" がHDDの時の方がよいですね。
4Kのランダムアクセスの性能はSSDの方が上でですが。
実際の使用感としては "特に速くなった、遅くなったという実感はなかったり"。
交換前と変わりません。
安定性
安定性はよくわかりませんが以下OSのインストールは確認しました。
- Windows NT3.51(SP5)
- Windows NT4.0(SP6a)
- Windows2000(SP4)
インストール中や、環境設定中にハングするという事はありませんでした。
終わり
以上、"外付けSCSI HDDをSSDの交換する" でした。
体感の性能はHDDとSDDでは特に差はなかったですが、発熱を抑えることができて満足です。
その他 その1
今回の "DSC-U30GTV" 以外に、同じメルコの "DSC-UE8.3G"も所有しているのですが、今回のIDE SSDは認識しませんでした。
この方法を使い、SSDを元々動作しているHDDと同じ容量に合わせれば認識すると思ったのですが、認識せず。
SSDが悪いのか、変換コネクタが悪いのかわからずじまいで断念です。
"DSC-UE4.3/6.4/8.3G" 系統のSCSI HDDを交換する場合は気を付けましょう。
その他 その2
今回のDSC-U30GTVは"Ultra SCSI(20MB/sec)"をサポートしていて、SCSIボードも "AHA-2940UW" なのでこちらもUltra SCSIをサポートしています。
しかし、ベンチマークのシーケンシャルの速度は10MB/secを超えていないという残念な数字でした。
一応SCSIボードの設定でUltra SCSIを有効にしたのですがベンチマーク結果は変わらず。
SSD交換前のHDDでも同じ結果だったので、コレは"相性なのか"、"性能的にこの辺が限界なのか"、"まだ設定が不完全なのか" わからないところです。
色々いじって壊すのが怖いので、これ以上何もしませんが気になるところだったりします・・・