PCIスロットを搭載しているPC9821に付属されている謎のプログラム "PCIセットアップユーティリティ"。
ある理由からコレを使う機会が出てきたのでメモとして記載します。
PCIセットアップユーティリティとは
PCIセットアップユーティリティとはPCIスロットが搭載されているPC9821に付属されている、PCIスロットのINT(IRQ)を手動で固定(予約?)するツールです。
(間違っていたらすいません。おそらく当たらずとも遠からずの解釈だと思います)
使用するきっかけ
儀典・女神転生をプレイしたい
我がサイトの検証機 "PC-9821V13"はWindows95とMS-DOS6.2をインストールしているのですが、このPC9821V13で
"儀典・女神転生" をプレイしたい!
そう思った次第です。
その "儀典・女神転生" はMS-DOSのゲームでMIDI音源対応でした。
MPU-PC98II(MIDIインターフェースボード)
"儀典・女神転生" はMIDI音源に対応しているので、"MPU-PC98II" というMIDIインターフェースボードを使用しているのですが、こいつがクセモノ。
INT(IRQ)がデフォルトのINT2(IRQ6)でないとMS-DOSのMIDI音源対応のゲーム鳴らない。
INT(IRQ)の設定をジャンパピンで設定可能ですが何故かゲームでは鳴らない。
しかしMIMPIというソフトではMIDIが鳴るという謎の特性を持っているMIDIインターフェースボードでした。
PC9821V13の構成(on Millennium)
ここでPC9821V13の構成の話です。
下の写真からもわかりますが、PC9821V13のPCIスロットにMillenniumというグラフィックボードが装備されています
※MIDIインターフェースボードを付けるときはLANボードと取り替えます
そして、PCIスロットにグラボなど機器を挿入すると、PC9821V13のデフォルトでは "INT2(IRQ6)が割り振られるようになっている" みたいです。
しかも、MS-DOS6.2で起動したとしてもPCIにグラボが刺さっている限りINT2(IRQ6)が割り振られています。
MS-DOSでは実質使ってないように見えて実は占有されています。
INT2(IRQ6)バッティング問題
これまでの経緯からINT2(IRQ6)バッティング問題発生です。
まとめるとこんな感じです。
- MPU-PC98IIはINT2(IRQ6)でないとMS-DOSのMIDI音源対応のゲーム鳴らない
- PCIスロットにMillennium(グラボ)が刺さっているとINT2(IRQ6)が占有される(MS-DOS6.2起動時でも)
- Windowsではプラグアンドプレイ(PnP)でうまいことINT(IRQ)の競合を避けてくれるが、儀典・女神転生はMS-DOSのゲーム
困りました。
PCIセットアップユーティリティの出番
そういう訳でPCIスロットのINT(IRQ)を手動で固定(予約?)できるPCIセットアップユーティリティの出番になりました。
使用方法
PCIセットアップユーティリティを使用する方法は専用フロッピーからの起動とWindowsからの起動方法があります。
今回はWindowsから起動させます。
PCIセットアップユーティリティの起動
Windows95から "PCIセットアップユーティリティ" を起動。
確認メッセージ
確認メッセージがでるので "OK" をクリック。
PCIセットアップユーティリティ
"ボードセットアップデータの設定/更新" を選択。
設定/更新するボードの選択
"PCIボード ボード1"を選択。
割り込みチャネル(IRQ)
現在、INT2(IRQ6)になっているのがわかります。
あと謎の自動設定ですね。
"6" を選択。
設定可能なIRQ番号
画面左下にIRQを入力します。今回は"IRQ10(INT41)"を設定します。
"10"を入力。
割り込みチャネル(IRQ)
割り込みチャネル(IRQ)が "10" になりました。
"設定終了" を選択。
設定/更新するボードの選択
"設定終了" を選択。
PCIセットアップユーティリティ
"終了" を選択。
構成の更新終了
これで終了です。電源を切ります。
終わり
これで "INT2(IRQ6)バッティング" は解消されたはずです。
無事に儀典・女神転生も音が出ました。
むかし儀典・女神転生でMIDI音が出ないという問題の半分は今回の事例が原因だった気がします。
まぁ、PCIセットアップユーティリティを使わなくても儀典・女神転生をするときだけ、グラボを外すとかすれば音は出ますが・・・・
謎のプログラム "PCIセットアップユーティリティ" を使用するでした。