PC-98シリーズのMS-DOSでCD-ROMドライブを認識させる方法です。
必要なもの
ちゃんと動くCD-ROMドライブはすでに用意してあるという前提で話を進めます。
NECCD.SYSとMSCDEX.EXE
"NECCD.SYS" と "MSCDEX.EXE" です。
CD-ROMを認識させるドライバです。
"MSCDEX.EXE" は MS-DOS 6.2 収録されています。
また、PC-9821 V13の本体に付属している "バックアップCD-ROM" を検索すると同ファイルがありましたので、"バックアップCD-ROM"を持っている場合は探してみましょう。
"NECCD.SYS" も一部はMS-DOS 6.2に収録されていて、"MSCDEX.EXE"と同じく"バックアップCD-ROM"にも収録されていました。
なお、"バックアップCD-ROM"を所有していなくても、最悪ネットの何処かに転がっていると思います。
設定例
いきなりうちの設定です。
例として記載しておきます。
MS-DOS6.2で動いて、Cドライブから起動しています。
平たく言えば以下CONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATにある "←☆コレ" の行を追加します。
CONFIG.SYS
FILES=30 BUFFERS=10 SHELL=\COMMAND.COM /P DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE /UMB /T=C:\DOS\EXTDSWAP.SYS DOS=HIGH,UMB DEVICE=C:\TOOLS\HSB.EXE VU T2 I26 Y2 X- DEVICE=C:\DOS\NECCDM.SYS /D:CD_101 ←☆コレ LASTDRIVE=Z ←☆コレ
AUTOEXEC.BAT
@ECHO OFF PATH C:\DOS;C:\;C:\FD;C:\TOOLS;C:\VZ SET TEMP=C:\DOS SET DOSDIR=C:\DOS C:\DOS\MSCDEX.EXE /D:CD_101 /L:Q ←☆コレ
以下設定方法の解説です。
設定方法
基本的には、CONFIG.SYSファイルでNECCD.SYSドライバを組み込み、AUTOEXEC.BATでMSCDEX.EXEを呼ぶことで、CDドライブを使えるようにします。
CONFIG.SYSへの記述
NECCD.SYSをCONFIG.SYSへ記述します。
NECCD.SYSの注意点
ここで注意点ですが、このNECCD.SYSは「NECCDA.SYS」,「NECCDB.SYS」、「NECCDC.SYS」~「NECCDM.SYS」まで11種類あります。
この中から自分のCDドライブに合ったものを記述します。
以下は自分が取ってきたNECCD.SYSとMSCDEX.EXEにあったREADME,TXTの抜粋です。
NECCDA.SYS | SCSI1モード用 CD-ROMドライバ | SCSI1カード(PC-9801-55U/92/N-J03/FA-02,PC-9821A-E10,PC-H98-B03/B12)にCD-ROMを接続/ドッキングステーションCD用(PC-98GS/PC-9821/Ce/Ap2/An/XaC10W内蔵用PC-CD103/60/60D/60F/160F/170/170N/180/180X/600/800増設用) |
NECCDB.SYS | SCSI2モード用 CD-ROMドライバ | SCSI2カード(PC-9801-100/N-J03R,PC-9821X-B02/B02L)にCD-ROM接続用 |
NECCDC.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ1 | PC-9821V10/Xe10/Xa7/Xa9/Xa10/Xa12/Xa13/Xt13/Cx/Cf/Cb2/Cx2/BX4/U2/C-P内蔵用 |
NECCDD.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ2 | PC-9821As3/Ap3/Ce2/Cs2/Cb/Cb3/Xs/Xp/Xn/Xf/Xa(C9W)内蔵・PC-CD60D増設用 |
NECCDE.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ3 | PC-9821Na7/Nb7/Nx内蔵用 |
NECCDF.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ4 | PC-9821V7/V10/Xa7e内蔵用 |
NECCDG.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ5 | PC-9821Na7/Na9/Na12内蔵用 |
NECCDH.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ6 | PC-9821Cx3内蔵用 |
NECCDJ.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ7 | PC-9821Ct20/V200M7内蔵用 |
NECCDK.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ8 | PC-9821Rs20/Rv20/RsⅡ26/RvⅡ26内蔵用 |
NECCDM.SYS | 内蔵用 CD-ROMドライバタイプ9 | その他のPC-9800シリーズ内蔵の専用インタフェースCD-ROM/CD-R/DVD-ROMドライブ用 |
CONFIG.SYSの設定例
CONFIG.SYSへは以下のように記述します。
DEVICE=A:\NECCDM.SYS /D:CD_101
上の例はNECCDM.SYSで内蔵用 CD-ROMドライバタイプ9のものです。
こんな感じで記述します。
AUTOEXEC.BATへの記述
AUTOEXEC.BATへの設定例
MSCDEX.EXEをAUTOEXEC.BATへ記述します。
A:\MSCDEX.EXE /D:CD_101 /L:Q
上の例ではCDドライブはQドライブとして認識させます。
正しいドライバをあてられず「CD-ROMは使用できません」と出てしまう場合
もし正しいドライバをあてられず「CD-ROMは使用できません」と出てしまうのならば、
CONFIG.SYSに以下のように記述し、NECCDA.SYSでダメだったら、次は、NECCDA.SYSをコメントアウトし、NECCDB.SYSをアンコメントして起動させてみるといった、総当りの方法を取ればいつかは認識すると思います。
DEVICE=A:\NECCDA.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDB.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDC.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDD.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDE.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDF.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDG.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDH.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDJ.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDK.SYS /D:CD_101
REM DEVICE=A:\NECCDM.SYS /D:CD_101
【追記】 CONFIG.SYSへの記述2
CONFIG.SYSの最終行に以下を記載してください。
アクセスできるドライブの最大数を設定します。
LASTDRIVE=Z
"LASTDRIVE=Z" とした場合、AからZドライブまで論理ドライブとしてシステムが使用できるように教えます。
AUTOEXEC.BATのCDの記述でCD-ROMドライブをQドライブとした場合は"LASTDRIVE=Q"でよいかもしれません。
この ”LASTDRIVE” の記載は無くてもCD-ROMが認識する場合もあるので、必須ではないような感じですが、これを記述しないとCDドライブを認識しない場合もあったので、一応記述しておいた方が良いかと思います。
終わり
以上、PC-98シリーズのMS-DOSでCD-ROMドライブを認識させる方法でした。
自分へのメモ書きでした。