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PC-98の再起動を高速化、およびホットキーで再起動できるようにする

下記事の応用編です。
いまさら聞けないPC98版MS-DOSのCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BAT講座 - PokuG stdio.h


はじめに

PC-98にはリセットボタンが付いていますが、起動のたびにハードウェアチェックやメモリチェックなど入るので起動に時間がかかります。

この起動時のハードウェアチェックやメモリチェックをスキップするためのツールを紹介します。
また、このツールは「CTRL」 + 「GRPH」 + 「DEL」 のホットキーでパソコンを再起動することも可能です。

HSB(High Speed Boot Controller)

PC-98の高速再起動及びホットキーで再起動できるようにようにHSB(High Speed Boot Controller)といフリーウェアを使用します。

ダウンロード先

www.vector.co.jp

設定方法

基本CONFIG.SYSに2行追加するだけです。

CONFIG.SYSの例

例では最小構成のCONFIG.SYSにHSBの設定を追加しています。
※REMはコメントです。

DEVICE=A:\TOOLS\HSB.EXE VC Y-  ←☆コレ
REM  (VC )  環境検査
REM  (Y- )  非常駐指定

FILES=30
BUFFERS=30
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB /T=A:\DOS\EXTDSWAP.SYS

DEVICE=A:\TOOLS\HSB.EXE VU2 T2 I26 Y2 X- Q  ←☆コレ
REM  (VU2)  環境検査は行なわない・UMBを利用する
REM  (T2 )  ホットキー処理ルーチンの指定
REM  (I26)  初期化オプション:FM音源の消音
REM  (Y2 )  常駐タイプ指定
REM  (X- )  標準ブート機能は禁止
REM  (Q  )  メッセージを最小限に抑える

DOS=HIGH,UMB

組み込み方法

手順1 PC-98の構成情報をHSBへ保存する

まず最初にCONFIG.SYSの一番上に「DEVICE=HSB.EXE VC Y-」という一文を追加します。

DEVICE=A:\TOOLS\HSB.EXE VC Y-
REM  (VC )  環境検査
REM  (Y- )  非常駐指定

FILES=30
BUFFERS=30
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB /T=A:\DOS\EXTDSWAP.SYS
DOS=HIGH,UMB

この状態でPC-98を起動すると以下の画面が表示されます。

とりあえず「wキー」を押します。
これはPC-98の構成情報(増設ボード、メモリの容量、ディップswitchの設定内容など)をHSB.EXEに保存しています。
これによりPC-98の再起動時にハードウェアチェックやメモリチェックをスキップできるようになります。
なお、メモリを増設したなど前回起動時とPC-98の構成が違う場合は上記の選択画面が表示されますのでwキーを押しましょう。

この状態でHSB.EXEをコマンドプロンプトでたたくとPC-98が高速再起動します。
このままの設定でもよいですが、せっかくなら「CTRL」 + 「GRPH」 + 「DEL」 のホットキーでパソコンを再起動できるようにしましょう。
次の手順でホットキーを使えるようにします。

手順2 HSBでホットキーを使えるようにする

EMM386.EXEの記述の後に、「DEVICE=HSB.EXE VU2 T2 I26 Y2 X- Q」を記述します。
なお、手順1の一番上に追加した記述は削除する必要はありません。

DEVICE=A:\TOOLS\HSB.EXE VC Y-
REM  (VC )  環境検査
REM  (Y- )  非常駐指定

FILES=30
BUFFERS=30
SHELL=\COMMAND.COM /P
DEVICE=A:\DOS\HIMEM.SYS
DEVICE=A:\DOS\EMM386.EXE /UMB /T=A:\DOS\EXTDSWAP.SYS

DEVICE=A:\TOOLS\HSB.EXE VU2 T2 I26 Y2 X- Q
REM  (VU2)  環境検査は行なわない・UMBを利用する
REM  (T2 )  ホットキー処理ルーチンの指定
REM  (I26)  初期化オプション:FM音源の消音
REM  (Y2 )  常駐タイプ指定
REM  (X- )  標準ブート機能は禁止
REM  (Q  )  メッセージを最小限に抑える

DOS=HIGH,UMB

これで上に記述してあるCONFIG.SYSの例と同じになりましたね。
このCONFIG.SYSでPC-98を起動できたら、「CTRL」 + 「GRPH」 + 「DEL」 のホットキーでPC-98を高速再起動できるようになります。

終わり

以上PC-98の再起動を高速化、およびホットキーで再起動できるようにするでした。
ホットキーで再起動は一太郎やゲーム中でもこのキーはききますし、仮にゲームがハングしてしまってもホットキーで再起動できるのでかなり便利です。

また、以下記事の「CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATのマルチブート環境を構築」し、CONFIG.SYSに今回のHSBを組み込むことにより、ゲーム後、HSBのホットキーで高速再起動し、一太郎のCONFIG.SYSを起動するなどできるので、「マルチブート環境+HSB」の環境が究極のCONFIG.SYSだと思います。
PC98版MS-DOSでCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATのマルチブート環境を構築する - PokuG stdio.h