PC9821正式対応を謳っているグラフィックボードで最速と言われている製品の1つであるGA-VDB16/PCI。
3Dfx社Voodoo Bansheeを搭載したグラボで1998年にアイ・オー・データから販売されたものです。
今回はこれをPC9821Ra43に取り付け、ベンチマークを測ってみようと思います。
用意するもの
GA-VDB16/PCI
GA-VDB16/PCIグラフィックボード本体。
ちなみにスペックは以下でファンは交換してあります。
発売元 | アイ・オー・データ |
製品名 | GA-VDB16/PCI |
チップ | Voodoo Banshee |
メモリ | 16Mバイト |
価格 | \34,800 |
発売時期 | 1998年11月ごろ |
ドライバ
GA-VDB16/PCIのドライバは2022年現在でもアイ・オー・データさんのホームページで公開されています。↓
サポートライブラリ | アイ・オー・データ機器 I-O DATA
ホームページにはサポートソフトウェアが (1)~(4)まであり、(4)が最新だと思いましたが違うみたいです。
実は以下のようなOS別になっていました。
サポートソフトウェア(1) | Windows98/95/Meディスプレイドライバ |
サポートソフトウェア(2) | WindowsNT4.0ディスプレイドライバ |
サポートソフトウェア(3) | Windows2000ディスプレイドライバ |
サポートソフトウェア(4) | サポートソフト |
取付
グラボを本体取り付け
PCIスロットに挿します。特にいう事ありません。
VGAケーブルを使って GA-VDB16/PCI の出力をPC98本体のRGB INへ繋ぐ
他のPC9821対応のグラボと同じでGA-VDB16/PCI の出力をPC98本体のRGB INへ繋ぎます。
ドライバのインストール
用意するもので紹介したGA-VDB16/PCIのドライバをインストールします。
Readme.TXTを見れば問題なく入ると思います。
ベンチマーク
GA-VDB16/PCIを取りたところで超有名ベンチマークのHDBENCHIで計測です。
ベンチマーク条件
以下環境でベンチマークをおこないます。
- PC9821 Ra43
- Windows98 SE
- 1024x768 16bitハイカラー
- HDBENCH Ver 3.30
本当は普段使っている "1024x768 32bitフルカラー" でベンチマークを取りたかったのですが、PC9821Ra43 標準の内蔵グラフィックボードでは "1024x768 16bitハイカラー" が限界だったのでこちらにしました。
PC9821Ra43 標準の内蔵グラフィックボード
ちなみに標準の内蔵グラボは "Trident社製 TGUI9682TMXGi" です。
GA-VDB16/PCI
見事グラフィックの性能が全体的に上がっています。
Matrox Millennium
参考に管理人所有のMatrox Millennium(メモリ8M)です。
(Win98では4Mまでしか認識しませんが...)
結果
今回はグラボを交換したのでベンチの結果はグラフィックのみに絞って確認します。
グラフにしてみる
GA-VDB16/PCIの圧倒的勝利です。
全ての項目でRa43標準グラボ、Millenniumを超えています。
結果より
グラフから一目瞭然でGA-VDB16/PCIの圧勝です。
さすがPC9821正式対応を謳っているグラフィックボードで最速と言われている製品の1つだと言われているだけあります。
しかし、Windows98のエクスプローラーなどの操作はGA-VDB16/PCIにしたので特別速いという訳でもなく、Ra43標準でもMillenniumでも操作速度は同じ感じです。
3Dゲームで性能を発揮できると思いますが、PC9821のWindowsで、この令和の時代に昔の3Dゲームをするかと言うと疑問が出てくると思います。
仮にゲームをプレイするにしてもDOS/Vマシンを使用した方がもっと性能のよいグラボを搭載できるので今の時代にGA-VDB16/PCIを使用するのは微妙かもしれません。
今となってはPC98実機を動かす事自体ロマンだと思いますが、このグラボはさらに上を行くロマン仕様にするという側面が強いと思います。
GA-VDB16/PCIの噂とか
発色について
ネットで発色はMatrox Millenniumに比べて悪いみたいなことがあったと思いますが、今見た感じでは "同じくらい" な感じです。
確かに昔はMatrox Millenniumの圧勝だった記憶があるのですが。。。
現在使用しているディスプレイが "EIZO FlexScan L997" で液晶ディスプレイなのですが、ブラウン管だと発色に差が出るのでしょうか?
それとも管理人はいい年したオッサンなので目が悪くなって発色の見わけもつかなくなった可能性も無きにしもあらずだったり。
発熱について
GA-VDB16/PCIは熱を持ちます。噂通りです。
管理人のGA-VDB16/PCIはファンを交換していますが、交換前も激熱です。
ファンがついているヒートシンク自体は冷たいですが、ファンを取り付けていないチップが全体的に暖かいです。(特に裏面のチップ)
夏場、室内温度28度の部屋で6時間動作させることが可能なのか不安になるくらいです。
ハードウェアアクセラレート機能について
GA-VDB16/PCIのハードウェアアクセラレートは "DirectDraw/Direct3D/Glide/OpenGL" に対応していて、実際には以下が対応しているみたいです。
Direct3D | ハイカラ―で対応 |
Glide | ハイカラ―で対応 |
OpenGL | フルカラ―、ハイカラ―で対応 |
DirectDraw | フルカラ―、ハイカラ―、256色で対応 |
3Dで ハードウェアアクセラレートを使用したい場合はハイカラ―にするといった感じりなります。
特定CPUでのパフォーマンス低下について
CoppermineコアのCPU搭載PCではパフォーマンス低下するらしいです。
CoppermineコアのCPUはクロックが "533MHz~1.13GHz" の Pentium IIIもしくは Celeronみたいです。
PC9821 Mate-RでCPU交換をしている場合は、この現象に遭遇してしまう場合があるので要注意だと思います。
ちなみに管理人はCPUを交換してない(KatmaiコアのCeleron)のでこの問題には遭遇していません。
また、Coppermineコアの後のTualatinコア(866MHz~1.40GHz)のCPUなら問題ないみたいです。
※管理人はCPUの交換はしたことないので ”特定CPUでのパフォーマンス低下について” は未検証です。
終わり
以上、PC9821にGA-VDB16/PCIを取りけベンチマークを取るでした。
個人的感想は”GA-VDB16/PCI”は熱の問題が頭にちらつき常用もためらう感じで、3Dゲームをしない場合は "Matrox Millennium" でいいんじゃね?という感じでした。