ちょっと変わった外付けSCSI HDDを所有しています。
以前から気になっていたのですが、このSCSI機器、HDDが怖いくらい熱くなるので、今更ながら予防保全(?)の観点から古いHDDを新しいSSDへ交換しようと思います。
あとSSDになるので、あわよくば性能も良くなってくれればいいなぁと思ってもいます。
さらに昨今地震が多いのでHDDよりSSDの方が振動に強そうなのでSSDにした方が壊れにくいカモ?と思い交換します。
注意点
改造はメーカーの保証外の行為です。改造を行う場合、すべて自己責任でおこないましょう。
機器が壊れたり、最悪燃えたりするかもしれません。
HDVS-UM20G
今回の外付けSCSI HDDは"I-O DATA HDVS-UM20G"になります。
仕様
仕様は以下になります。
製品名 | HDVS-UM20G |
ディスク容量 | 20G |
インターフェース仕様 | Ultra SCSI(FAST-20) |
最大転送速度(理論値) | Ultra SCSI:20MB/sec SCSI-2:10MB/sec |
対応OS(PC-98使用時) | Windows3.1、Windows95、Windows98、 WindowsNT4.0/3.51、Windows2000、 MS-DOS 6.2以降 |
発売日 | 1999年7月末 |
標準価格 | 49,800円 |
実はこのHDDですが、上の仕様の他に "Super Multi Drive機能" と呼ばれる機能で1台のハードディスクを任意の容量に分割でき、複数台のHDDとして使用できる機能がありますが、今回はこの機能は使用しません。
SDAT方式
この外付けSCSI HDDには"Super Multi Drive機能" 以外に "SDAT方式" という技術が使われていたりしています。
SDATは "SCSI directed ATA transfer" の略で、実はこのSCSI機器に内蔵されているHDDはIDEのHDDです。
大雑把に言うと、SDATはSCSIのコマンドを解釈してIDE HDDをコントロールする技術のことで、これによりIDE HDDを見かけ上SCSIドライブとして利用可能としています。
使用するもの
HDVS20G-UM
SDAT方式を採用している20Gの外付けSCSIドライブになります。
IDE SSD
今回使用する外付けSCSIは中身がIDE HDDなので、IDE SSDを使用します。
製品は以下の32Gものを使用します。
変換コネクタ
3.5インチIDE HDD(40ピン)を2.5インチIDE HDD or SSD(44ピン)へ変換する基盤です。
交換
フタを空ける
当然ながらHDDが詰まっています。
入っていた20GのHDDはサムスン製ですね。
HDDを取り出す
HDDを取り出します。
変換コネクタを取り付ける
IDE SSDを取り付けるので、最初に変換コネクタを付けます。
今回取り付けた変換コネクタですが、無理矢理押し込むと変換コネクタの電源供給部のコート(黄色い丸で囲んだ部分)がほぼ直角にまがるので、いい感じの力で押し込まないと変換コネクタのコードがポロっと取れるかもしれないです。
コードがポロっと取れて燃えてしまわないか心配。。。
SSD取り付け
2.5インチは小さいですね。
中身がスカスカになりました。
交換後の確認
認識する容量
20Gの外付けHDDに32GのSSDを取り付けました。
とりあえず、20GのときのHDDの情報の画像です。
19464Mバイトと表示されています。
30Gに取り替えた後の画像です。
30329Mバイトとなっています!
交換後のSSDすべての容量が使えそうです。
しかも何故か名前が "HDVS-UM20G" から "HDVS-UM31G" へ変わっています。
名前は取り付けるHDDの容量で動的に変更しているのでしょうか?
ベンチマーク(CrystalDiskMark)
今回はCrystalDiskMark2.2でベンチマークをおこないました。
環境
以下の環境でのベンチマークです。
機器 | PC-9821Ra43 |
---|---|
SCSIボード | AHA-2940AU |
IDE HDD | サムスン 20G |
IDE SSD | Transcend 32GB SSD TS32GPSD330 |
領域の種類 | FAT16(512MByte) |
アプリ | CrystalDiskMark2.2 |
OS | Windows98SE |
上記環境でOS起動後一回だけベンチマーク実行しました。
一発勝負です。
結果
"シーケンシャルの読み込み" と "512Kのランダムアクセスの読み込み" がSSDの時の方がよいですね。
一方で、シーケンシャルの書き込み" と "512Kのランダムアクセスの書き込みは値が減ってます。
あと4Kのランダムアクセスの性能はSSDの方が上です。
この辺はさすがSSDと言ったところでしょうか。
この結果を見てSSDにして速くなったかのかは....よくわかりません。
実際の使用感としては "特に速くなった、遅くなったという実感はなかったり"します。
交換前と変わりません。
SSDの熱について
交換前のHDDの時は怖いほど熱かったですが、SSDはアクセスがどれだけあっても "ひんやり" です。
成功です。
交換の目的が一つ達成できました。
振動について
きっとSSDの方が振動に強いと信じています!(願望)
安定性
安定性はよくわかりませんが以下OSのインストールは確認しました。
- Windows NT3.51(SP5)
- Windows NT4.0(SP6a)
- Windows2000(SP4)
OSインストール中や、環境設定中にハングするという事はありませんでした。
また、Windows NT4/2KにOracle8iというデータベースソフト(お試し版)をインストールし、少し動かしてみましたが、今のところ正常に動いている様に見えます。
(おそらくPC-98xxはサポート外の環境だと思います)
いまさら聞けないOracle8iのインストール方法~Windows編~ - PokuG stdio.h
終わり
以上、"外付けSCSI HDDをSSDに交換する ~HDVS20G-UM編~" でした。
体感の性能はHDDとSDDでは特に差はなかったですが、発熱を抑えることができて満足です。
あと、きっと地震にも強くなったと信じています。
気になるのが変換コネクタの電源コードが何かの拍子でポロっと外れないか心配です。
万が一外れて燃えるってことが無いように祈ります。
そういうことなので、そのうち変換コネクタは別のに交換しようと思います。
追記
SCSIのインターフェースボードによってIDE SSDだとベンチマークがハングアップするようです。
今回のベンチマークの組み合わせはたまたま上手くいったパターンで、根本的には技術的にSSDだと問題があるのかもしれません。