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ポクジィと読みます

PC-9821V13 に初代 Matrox Millennium を取り付ける


199X年の世紀末(2000年に突入していたかもしれません)、PC 自作界のグラフィックボード市場はまさに群雄割拠。
各社のチップが入り乱れ、まるで綺羅星のごとく名機が並んでいました。

そんな中、自作界で絶大な人気を誇っていたグラフィックボードが Matrox Millennium G400。
「ミレニアム」と読みます。一部では「千年王国」なんて呼ばれていた記憶もあります。

3D 描画性能こそ控えめでしたが、「2D 表示が非常に美しく、文字がくっきり見える」──
そんな特徴で、当時の“紙芝居型エロゲ”ユーザーを中心に絶大な支持を集めていました。

今回取り付けるのは、その大人気シリーズの原点にあたる 初代 Matrox Millennium。
このボードを PC-9821V13 に装着し、どのような画質・性能を発揮するのか、実際にベンチマークを取って確かめてみようと思います。

1 用意するもの

1.2 Matrox Millennium

今回使用するMatrox Millennium のスペックは以下の通りです。

  • チップ:MGA-2064W
  • メモリ:8MB(4MB 実装 + 4MB 増設)
  • バス形状:PCI

1995年に発表したグラフィックボードで、高速な描画性能と視認性の良い画質が特徴です。

搭載されている MGA-2064W チップは 64bit メモリバスを持ち、ビデオメモリとして最大 8MB までをサポートします。

なお、一部 PC-98 に搭載されていたグラフィックアクセラレータである PC-9821X-B03(フルカラーウィンドウアクセラレータボードX2)は、この Millennium の OEM 製品にあたります。
下写真の上にあるのが Matrox Millennium で下にあるのが PC-9821X-B03 になります。大きさが違いますね。


1.3 PC-9821V13

今回 Matrox Millennium を取り付けるのは、NEC PC-9821V13 です。
1996年に発売された Pentium 搭載機で、当時の「V シリーズ」はコストパフォーマンスに優れた人気モデルでした。

今回の実験環境では、Windows 95 の環境で Millennium を接続します。


2. 取り付け前の準備(ディップスイッチの設定)

取り付け前に、基板右下にある DIPスイッチ を確認します。
写真のように 「1番:OFF」「2番:ON」 に設定します。
デフォルトでは 1番・2番とも OFF のようです。
この2番目のスイッチは「VGA DISABLE」のスイッチらしいです。
詳しいことはわかりませんが、PC-98 の MS-DOS での表示は PC-98 本体の VGA グラフィックを使用しているので、Millennium 側の VGA を使用する設定だと表示処理がバッティングして動かないんだと思います。


3. 取付

3.1 グラボを本体取り付ける

PC-9821V13 の空いている PCI スロット に、Millennium をしっかりと挿し込みます。

3.2 VGAケーブルを取り付ける

Millennium の出力端子 を、PC-98 本体背面の RGB IN 端子へ接続します。
そして、ディスプレイへはこれまで通り PC-98 本体の RGB OUT から接続します。


4. ドライバのインストール

先ほど説明した通り、一部の PC-98 に搭載されていたグラフィックアクセラレータ PC-9821X-B03(フルカラーウィンドウアクセラレータボードX2) は、Matrox Millennium の OEM 製品です。
そのため、Millennium に適用するドライバとしては、この PC-9821X-B03 用ドライバを使用します

注意点:ドライバは 「Windows 95 の CD-ROM に標準で入っている」という都市伝説

ネット上では、「Windows 95 の CD-ROM に標準で入っている」とよく書かれていますが、これは半分正解で、半分間違いのようです。

正確には、「Windows 95 OSR2 以降」の CD-ROM に標準で含まれているが正解です。

残念ながら今回使用した PC-9821V13 にインストールされていたのは Windows 95(OSR1) だったため、
ドライバ一覧の中に「フルカラーウィンドウアクセラレータボードX2」は存在しませんでした……。

4.1 DirectX6 をインストールする

「Windows95 OSR1」ユーザーは Millennium は使用できないのという事ではありません。
Millennium のドライバは DirectX5 移行の DirectXに最新?のドライバが入ってるので、これを適用しましょう。

DirectX6 のファイル名は「dx61nec.exe」です。このファイル名でググれば検索でヒットするはず。。

「dx61nec.exe」を実行すると、Millennium を勝手に検出してくれます。
「はい」を選択しましょう。

タイミング?によって以前のグラボ(本体内蔵グラボ)と競合している場合もあったので、その場合は、下画面の前のグラボの「デバイスの使用のチェックを外」し、Millennium の「デバイスの使用のチェックを付る」という事をおこない、再起動すればちゃんと認識しました。


5. ベンチマーク

ドライバの導入まで完了したところで、さっそくベンチマークを実施します。
今回は CrystalMark Retro 2.0.6 を使用させていただきます。

5.1 CrystalMark Retro 2.0.6 for 9x の結果

■ PC-9821 V13 の標準グラフィックドライバの結果

■ Matrox Millennium の結果


2D 描画性能のスコアは明らかに向上していました。
一方で、3D の値はほとんど変化がなく、やはりこの世代のボードは 2D 表示向けであることが分かります。

そして何より印象的だったのが、文字のシャープさと発色の美しさ。
当時はそこまで意識していませんでしたが、今こうして見ると、液晶ディスプレイであっても文字がくっきり読みやすくなっているのが分かります。
(特にデスクトップ画面。あと文字を写真に撮りましたがいまいちくっきり感が伝わらなさそうなので写真の掲載は見送りました)

オッサンの目になってしまった今では、その違いにちょっと感動してしまいました。
※個人の感想です

6. おわり

今回、PC-9821V13 に Matrox Millennium を取り付けてベンチマークを行ってみました。

結果として、2D 描画性能はしっかり向上しました。
3D の性能こそ変化はありませんでしたが、もともと 2D 表示に特化した設計なので、これは想定通りといえます。

それよりも何よりも、ディスプレイで見る文字のくっきり感にはちょっと感動しました。
当時は何も感じなかったのに、今になってその“見やすさ”が妙にありがたく感じるのは、やっぱりオッサンになったからでしょうか。

Millennium はやはり「2D 画質の王道」と呼ばれた Millennium G400 のご先祖様だけあって、その実力を今でもしっかり見せてくれました。

以上、PC-9821V13 に Matrox Millennium を取り付けるでした。