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SCSI機器のお約束事

本記事はSCSIボードにSCSI機器を取り付けるためのお約束事のメモです。

たまに使うと忘れるのでメモ書きです。

なぜかPC98とDOS/Vとではちょっとお約束が違います。

今回は主にSCSI-2でのお約束です。

前提の機器

今回は例として以下のSCSI機器を取り付けます。
左が1Gの外付けSCSI HDDドライブ。
右がMOドライブ。

SCSI機器の接続のお約束

SCSIケーブルコネクタの種類

なぜか色々種類がありよくわかりません。
自分が確認した感じで以下があります。

  • D-subハーフピッチ50ピン
  • アンフェノールハーフピッチ50ピン
  • D-sub25ピン
  • アンフェノールフルピッチ50ピン
  • HDI 30ピン
D-subハーフピッチ50ピン

標準的なコネクタ?
"D-subハーフピッチ50ピン" とネットに書かれている場面をあまり見たことないです。
"SCSI標準ハーフピッチコネクタ" とか呼ばれているような気がしないでもないです。
※この別名称は違っているかもしれません

アンフェノールハーフピッチ50ピン

"D-subハーフピッチ50ピン" に似てるようで似てない形状をしています。
主にPC-98シリーズでよく見かける形式です。

D-sub25ピン

Macintoshでよく見かけた形式です。
それ以外分かりません。

アンフェノールフルピッチ50ピン

DOS/V機でよく見かけた形式です。
実物は結構大きいので「外国製は何でも大きいなぁ」という意味不明の感想を当時思っていました。

HDI 30ピン

おそらくこれもMacintosh用かも?
分かりません。

接続は数珠つなぎに接続

下の写真のようにSCSIボードに対して数珠つなぎに接続します。

写真ではついていませんが、一般的にはパソコンから一番遠い機器の最後のSCISコネクタには "ターミネータ" という機器をさします。

※今回の一番最後についている機器(MOドライブ)はターミネータが内臓されている機器なのでターミネータが付いていません

下がターミネータ

ケーブルの長さ

SCSI機器のケーブルの長さには制限があります。
一般的には以下になると思います。
※例外もあったような気がしますが

  • SCSI-2は3mまで
  • SCSI-3は1.5mまで

昔の記憶をたどると上の長さは内部ケーブも含めての総合計の長さで、短ければ短いほど安定すると言われていた記憶があります。

SCSI IDの設定

SCSIボードに取り付ける機器に割り当てる番号を "SCSI ID" と言い、SCSI-2では "0~6"を使用します。

以下のお約束があります。

  • 重複した番号はNG
  • 併用するすべてのSCSI機器を "0" から順に空けないように設定する
重複した番号はNG

これはPC-98、DOS/V、Macでも同じお約束です。

併用するすべてのSCSI機器を "0" から順に空けないように設定する

これはPC-98独自のお約束で、DOS/V,MACは重複さえしなければ0~6の範囲でどの番号に設定しても問題ありません。

実際の例

■ HDDドライブ
パソコンに近いSCSI機器に "0" を設定します。

■ MOドライブ
2番目パソコンに近いSCSI機器に "1" を設定します。

終わり

以上、SCSI機器のお約束事でした。
たまにSCSI機器を接続すると忘れるのでメモ程度の記事でした。

SCSIの応用(クラスタリング)

お約束とは全く関係なく、ものすごくレアケースですがSCSIでこんなこともできたという思いで話です。

PC98ではできませんが、DOS/V機のWindowsNT/2000やUNIXではSCSIを使用した "クラスタリング" というのもありました。

普段はSCSI HDDコネクタの片方をパソコンへ、もう片方はターミネーターを付けますが、それぞれのSCSI HDDコネクタを2台のパソコンにつけて、パソコン2台間で1台のSCSI HDDを共有するというものです。

いかにもサーバーOS専用の使い方です。


本番環境では見たことありませんでしたが、クラスタリングの勉強材料として安価で構築ができるので昔はOracle Real Application Clustersとか構築手順のテストをしてました。

確か本来はiSCSIでおこなうところをSCSIの物理線で代用していたためサポートされていないハード構成だったのだと思いますが、今でもSCSIでも構築できるのでしょうか?気になります。

余裕があるなら別記事でチェレンジしようかと思います。

※例で紹介したクラスタリングはファイルシステムが "FAT" や "NTFS" ではできないものです。
 (できるものもあるかもしれませんが・・・)
 私が知っているものは "RAWデバイス" を使います。
 "FAT" や "NTFS" でおこなうとキャッシュ関連でデータ破損やハード故障すると思います。

また、この手法は2000年ごろの手法で性能の方はパソコンを2台使用するので性能は2倍になるのではなく、せいぜい1.2倍くらい性能が上がる感じだったような記憶があります。(違っていたらすいません)