管理人が所有しているPC98の紹介です。
この機種は管理人が初めて自分用に所有したPC-98になります。
このサイトでのPC98の記事はこの機種で動作確認をおこなっています。
仕事も遊びも、インターネットにも たけたヤツ。バリュースター。
98VALUE STAR PC-9821V13
1996年発売。当時の主力機種であった98MATEから、拡張スロット数を少なくし、高価なグラフィックチップを廃止、生産コストを下げた家庭向け普及型PC-9821として売り出されていました。
自分的には98VALUEシリーズはPC-9821シリーズで一番売れた機種じゃないかと思っています。
販売数とか調べてないですけれど。。。
その為か、2023年現在では歴代PC-98のなかで1,2を争うほど価値が低いシリーズだと思われます。
しかしながら、その分オークションなどで比較的安く入手できたりしますのでレトロPC98の入門機として最適ではないかと思います。
あと、98VALUE STAR シリーズはこれまでのPC98とは違いWord,ExcelのようなOfficeソフトをはじめ多くのアプリケーションが入っているのが特徴で、現在のパソコン、スマホでも続いているメーカー製押しつけアプリのプリインストール地獄の始まりのシリーズ(機種)だったりします。
対応OS
正式なサポ-トかどうかはわかりませんが、インストールできたOS以下だったと思います。
- MS-DOS5.0A-H
- MS-DOS6.2
- Windows3.1
- Windows95
- Windows98
実機
実機です。
PC98本体の上にディスプレイを乗せます。
写真では液晶ディスプレイですが、昔はブラウン管のディスプレイを乗せていました。
スペック
主なスペックです。
汎用拡張スロット(Cバススロット)とPCIスロットがそれぞれ2つ、1つです。
CPU | Pentiumプロセッサ(133MHz) |
チップセット | Intel 430FX(Triton) |
セカンドキャッシュ | 256KB |
メインメモリ(標準/最大) | 32MB/128MB(EDO DRAM パリティー(ECC)無し) |
フロッピーディスク | 3.5型フロッピーディスクドライブ(3モード対応)x1 |
HDD | 1.2GB |
CD-ROM | 8倍速 |
グラフィックチップ | CIRRUS LOGIC社製 GD5440 |
ビデオメモリ | 1MB |
グラフィック表示(MS-DOS) | 640×400ドット(16色)、640×400/480ドット(256色) |
グラフィック表示(Windows) | 640× 480ドット(256色/65,536色/1,677万色) |
800× 600ドット(256色/65,536色) | |
1,024× 768ドット(256色) | |
サウンド | PCM録音・再生機能 |
拡張スロット | PCIスロット×1、汎用拡張スロット(Cバス)×2 |
電源 | AC100V±10%、50/60Hz、AC電源出力コンセント(AC100V 3A、本体電源スイッチ連動)1個 |
消費電力 | 約70W(最大:約290W) |
外観
正面
外観はごく一般的な横置きNEC PC98のデスクトップです。
下手にマッキントッシュの見た目を似せたディスプレイ一体型の外観や、DOS/Vのタワー型に似せた外観でないのが非常に好感が持てると思うのは私だけでしょうか。
リセットボタン
PC98の下の真ん中より少し左のボタンがリセットボタンです。最後期機種以外のPC98にはリセットボタンが付いています。
悪さ(主に魔改造?)をしてPC98が不安定になり、心を取り乱しても問題ありません。
リセットボタンを押し、「ピポ」音を聞いてメモリカウントを遠い目で見るという「ルーティーン」作業をおこなえばすぐに平常心を取り戻すことができます。
21世紀になりイチローなどが実践していると話題になった「ルーティーン」作業ですがPC98ユーザーは30年以上前からおこなっていました。
背面
スペックの項目でも触れましたが、拡張スロットのCバス2つ、PCIが1つです。
同じ時期に発売されていた98MATE XシリーズがCバス4つ、PCIが2つだったのでそれに比べて空きスロットが少ないです。
ちなみに上の写真では、CバスにはLANボードとサウンドボードが付いていて、PCIスロットにはグラフィックカードが付いています。
使用感
普通に使った感想です。
MS-DOSの使用感
以下の理由からMS-DOSでの運用はちょっとクセがあります。
- CPUが"Pentiumプロセッサ(133MHz)"という高速なCPUなので昔のアクションゲームでは速度が速すぎるかも
- 標準でフロッピードライブが1基
- FM音源が標準装備でない
CPUの速度は大体1992年以降アプリだとストレスなく動くとおもいますが、PC9801初期のアプリは早すぎるという事が起こるかもしれません。
フロッピードライブが2基ないと動かないアプリがあったと思いますので、そういう時はもう1基増設が必要になります。
あと、ゲームをプレイしたい場合は別途"86音源"などのサウンドボードが必要になります。
拡張性
スペックの項目でも触れましたが、拡張スロットのCバス2つ、PCIが1つです。
おそらく世間の評価では拡張性は悪い部類と言われているように思いますが、"個人的には拡張性は悪くないと" 思っています。
理由は以下。
空きINT(IRQ)
空きINTはデフォルトで3つ空です。
下の図ではわかりにくいですが、INT0、INT2、INT41が空いています。
V13は空スロットが3つなので、コレで丁度いい感じに全部埋まります。
INT0 (IRQ3) |
INT1 (IRQ5) |
INT2 (IRQ6) |
INT3 (IRQ9) |
INT41 (IRQ10) |
INT42 (IRQ11) |
INT5 (IRQ12) |
INT6 (IRQ13) |
|
内蔵FDD | ◎ | |||||||
内蔵マウス | ◎ | |||||||
内蔵HDD | ◎ | |||||||
内蔵サウンド | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | ||||
内蔵2nd CCU | ◎ | |||||||
FAXモデムボード (FAXモデルのみ) |
◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ISDNボード (ISDNモデルのみ) |
〇 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
◎:工場出荷時の設定
〇:設定可能
むしろ98MATE Xシリーズは空スロットがCバス4つ、PCIが2つだったと思うのですが、どうやって全空きスロットを埋めるのか不思議なくらいです。
現在のINI設定
ちょうどいい感じに全部埋まっています。
INT0 (IRQ3) |
INT1 (IRQ5) |
INT2 (IRQ6) |
INT3 (IRQ 9) |
INT41 (IRQ10) |
INT42 (IRQ11) |
INT5 (IRQ12) |
INT6 (IRQ13) |
LANボード | 2nd CCU | MIDIボード | IDE HDD | グラボ | FDD | サウンドボード | マウス |
PCIセットアップユーティリティはあった方がいい
WindowsとDOS同時使用の環境の場合で、かつ、増設ボードを3つとか埋める場合です。
上記の場合、使用できるINTが限られているので、うまいことINTを工面するために"PCIセットアップユーティリティ"でPCIのINTを調整する必要が出てくると思います。
V13に限らず、PCIスロットを持つPC98の場合は"PCIセットアップユーティリティ"も調達した方がよいと思います。
カレンダー電池の予備は持っておきたい
これも上の話からの続きです。
カレンダー電池が切れた場合は、PC98はカレンダーの時刻を忘れますが、その他にHELPキーから起動するBIOS(?)で変更した値や、"PCIセットアップユーティリティ"で変更した値も忘れてしまいます。
カレンダー電池が切れたままにしておくと、起動の度にINTの設定をし直す羽目になってしまいます。
終わり
以上管理者が所有している「98VALUE STAR」PC-9821 V13でした。
個人的には意外と悪くない機種だと思うのですがネットでは低評価(?)に見受けられます。
何とか地位を向上できないかとたまに思ったりもしています。