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Win95とネット明瞭期を駆け抜けた「98VALUE STAR」PC-9821 V13

管理人が所有しているPC-9821の紹介です。
この機種は管理人が初めて自分用に所有したPC-9821になります。

このサイトでのPC-9821の記事はこの機種で動作確認をおこなっています。

仕事も遊びも、インターネットにも たけたヤツ。バリュースター。

98VALUE STAR PC-9821V13

1996年発売。時期的には "Windows95" と "インターネット" が普及し始めた時期だったと思います。

当時の主力機種であった98MATEから、拡張スロット数を少なくし、高価なグラフィックチップを廃止、生産コストを下げたご家庭用パソコンの入門向けPC-9821として売り出されていたと思います。

このような背景から自分的には98VALUEシリーズはPC-9821シリーズで一番売れた機種じゃないかと思っています。
販売数とか調べてないですけれど。。。

その為か、2023年現在では歴代PC-98のなかで1,2を争うほど価値が低いシリーズだと思われます。
しかしながら、その分オークションなどで比較的安く入手できたりしますのでレトロPC-9821の入門機として最適ではないかと思います。

あと、98VALUE STAR シリーズはこれまでのPC-9800シリーズとは違いWord,ExcelのようなOfficeソフトをはじめ多くのアプリケーションが入っているのが特徴で、現在のパソコン、スマホでも続いているメーカー製押しつけアプリのプリインストール地獄の始まりのシリーズ(機種)だったりします。

対応OS

正式なサポ-トかどうかはわかりませんが、インストールできたOS以下だったと思います。

  • MS-DOS5.0A-H
  • MS-DOS6.2
  • Windows3.1
  • Windows95
  • Windows98

実機


実機です。

PC-9821本体の上にディスプレイを乗せます。
写真では液晶ディスプレイですが、昔はブラウン管のディスプレイを乗せていました。

スペック

主なスペックです。
汎用拡張スロット(Cバススロット)とPCIスロットがそれぞれ2つ、1つです。

CPU Pentiumプロセッサ(133MHz)
チップセット Intel 430FX(Triton)
セカンドキャッシュ 256KB
メインメモリ(標準/最大) 32MB/128MB(EDO DRAM パリティー(ECC)無し)
フロッピーディスク 3.5型フロッピーディスクドライブ(3モード対応)x1
HDD 1.2GB
CD-ROM 8倍速
グラフィックチップ CIRRUS LOGIC社製 GD5440
ビデオメモリ 1MB
グラフィック表示(MS-DOS) 640×400ドット(16色)、640×400/480ドット(256色)
グラフィック表示(Windows) 640× 480ドット(256色/65,536色/1,677万色)
800× 600ドット(256色/65,536色)
1,024× 768ドット(256色)
サウンド PCM録音・再生機能
拡張スロット PCIスロット×1、汎用拡張スロット(Cバス)×2
電源 AC100V±10%、50/60Hz、AC電源出力コンセント(AC100V 3A、本体電源スイッチ連動)1個
消費電力 約70W(最大:約290W)

外観

正面


外観はごく一般的な横置きNEC PC-9821のデスクトップです。

リセットボタン


上写真の下の真ん中より少し左のボタンがリセットボタンです。最終機種以外のPC-9821シリーズにはリセットボタンが付いています。

悪さ(主に魔改造?)をしてPC-98が不安定になり、心を取り乱しても問題ありません。
リセットボタンを押し、「ピポ」音を聞いてメモリカウントを遠い目で見るという「ルーティーン」作業をおこなえばすぐに平常心を取り戻すことができます。

21世紀になりイチローなどが実践していると話題になった「ルーティーン」作業ですがPC-98ユーザーは30年以上前からおこなっていました。

背面


スペックの項目でも触れましたが、拡張スロットのCバス2つ、PCIが1つです。

同じ時期に発売されていた98MATE XシリーズがCバス4つ、PCIが2つだったのでそれに比べて空きスロットが少ないです。

ちなみに上の写真では、CバスにはLANボードとサウンドボードが付いていて、PCIスロットにはグラフィックカードが付いています。

使用感

普通に使った感想です。

MS-DOSの使用感

以下の理由からMS-DOSでの運用はちょっとクセがあります。

  • CPUが"Pentiumプロセッサ(133MHz)"という高速なCPUなので昔のアクションゲームでは速度が速すぎるかも
  • 標準でフロッピードライブが1基
  • FM音源が標準装備でない

CPUの速度は大体1992年以降アプリだとストレスなく動くとおもいますが、PC-9801初期のアプリは早すぎるという事が起こるかもしれません。

フロッピードライブが2基ないと動かないアプリがあったと思いますので、そういう時はもう1基増設が必要になります。

あと、MS-DOSのゲームをプレイしたい場合は別途"86音源"などのサウンドボードが必要になります

Windowsの使用感

CPUがPentiumプロセッサ(133MHz)なのですが、Windows95/98では例えばMIDI系の問題があると思います。
MIDIのソフトウェアシンセサイザーはCPUのMMX機能を使用するのが必須になっています。

確かMMX機能を搭載している機種はPC-9821 V13などの2桁の型番ではなくPC-9821 V200などの3桁台の型番だったと思います。

上記はソフトウェアシンセサイザーを使用の例を出しましたが、マルチメディア系のアプリを動作させる場合はMMXの命令が推奨というものが多数あったと思います。

拡張性


スペックの項目でも触れましたが、拡張スロットのCバス2つ、PCIが1つです。

おそらく世間の評価では拡張性は悪い部類と言われているように思いますが、"個人的には拡張性は悪くないと" 思っています。
理由は以下。

空きINT(IRQ)

空きINTはデフォルトで3つ空です。
下の図ではわかりにくいですが、INT0INT2INT41が空いています。
※FAXモデムボード、ISDNボードは使用しない前提です
V13は空スロットが3つ(Cバス2つ、PCIスロット1つ)なので、コレで丁度いい感じに全部埋まります。

INT0
(IRQ3)
INT1
(IRQ5)
INT2
(IRQ6)
INT3
(IRQ9)
INT41
(IRQ10)
INT42
(IRQ11)
INT5
(IRQ12)
INT6
(IRQ13)
内蔵FDD
内蔵マウス
内蔵HDD
内蔵サウンド
内蔵2nd CCU
FAXモデムボード
(FAXモデルのみ)
ISDNボード
(ISDNモデルのみ)

◎:工場出荷時の設定
〇:設定可能

現在のINI設定

ちょうどいい感じに全部埋まっています。

INT0
(IRQ3)
INT1
(IRQ5)
INT2
(IRQ6)
INT3
(IRQ 9)
INT41
(IRQ10)
INT42
(IRQ11)
INT5
(IRQ12)
INT6
(IRQ13)
LANボード 2nd CCU MIDIボード IDE HDD グラボ FDD サウンドボード マウス

PCIセットアップユーティリティはあった方がいい

WindowsとDOS同時使用の環境の場合で、かつ、空のCバスとPCIスロットが増設ボードで全部埋まってしまう場合にPCIセットアップユーティリティを使用する機会が出てくると思います。

上記の場合、使用できるINTが限られているので、上手にINTを調整するために"PCIセットアップユーティリティ"でPCIのINTを調整する必要が出てきます。

どんなことが起こるかは以下のリンク参照です。
PCIセットアップユーティリティを使用する - PokuG stdio.h

下の写真はPC-9821Ra43のPCIセットアップユーティリティ

V13に限らず、PCIスロットを持つPC-9821の場合は"PCIセットアップユーティリティ"も調達した方がよいと思います。

カレンダー電池の予備は持っておきたい

カレンダー電池が切れた場合は、PC-98はカレンダーの時刻を忘れますが、その他にHELPキーから起動するBIOS(?)で変更した値や、"PCIセットアップユーティリティ"で変更した値も忘れてしまいます。

カレンダー電池が切れたままにしておくと、起動のたび、時刻の設定、BIOS(?)の設定、PCIセットアップユーティリティの設定をやり直す羽目になってしまいます。

終わり

以上管理者が所有している「98VALUE STAR」PC-9821 V13でした。

個人的には意外と悪くない機種だと思うのですがネットでは低評価(?)に見受けられます。

何とか地位を向上できないかとたまに思ったりもしています。