1.目的
自分がOCNモバイルのSIMを使う事になり、ネットの噂でスマホのバッテリーが異常消費すると聞いたので検証する。
2.実験の天候・気温
2.1.ドコモ回線の実験日・天気
実験日:2021年4月29日
天候:雨
気温:14℃
2.2.OCNモバイルONE回線の実験日・天気
実験日:2021年4月30日
天候:晴れ
気温:22℃
3.使用機器および機器の環境
3.1.使用機器
本実験の使用機器を以下に示す。
本 iPhoneはデュアルSIMの通信環境であり、以下のように設定している。
・音声の主回線:ドコモ/OCNモバイルONE
・データ通信の主回線:楽天モバイル
名称 | メーカー 型番 |
---|---|
スマートフォン | Apple iPhone12 mini SIMフリー版 |
SIM | ドコモ nano SIM |
SIM | OCNモバイルONE nano SIM(音声対応SIM) |
eSIM | 楽天モバイル eSIM |
スマートウォッチ | Apple Watch SE wifiモデル |
また、本実験に関係ないと思われるが、iPhone12 miniとApple Watch SEを連携してある環境である。
3.2.通信プラン
本実験の通信プランを以下に示す。
会社 | 通信プラン | 備考 |
---|---|---|
ドコモ | ギガライトプラン | 音声通話主回線 |
OCNモバイルONE | 音声対応SIM(1GB/月コース) | 音声通話主回線 |
楽天モバイル | Rakuten UN-LIMIT VI(1年間無料) | データ通信主回線 |
4.実験内容
4.1実験内容
朝9:11に満充電した状態から夕方18:00頃までどれだけバッテリーの容量が残っているかを確認する。
条件
実験をする上での条件は以下である。
・スマートフォンは普段通り使用する
・WiFi環境には接続しない
5.結果
5.1.ドコモ回線
5.1.1.残量のスクリーンショット
18:00時時点でのバッテリー残量のスクリーンショットを以下に示す。
スクリーンショットの右上より残量は90%である。
5.1.2残量の変化
5.2.OCNモバイルONE回線
5.2.1.残量のスクリーンショット
18:07時時点でのバッテリー残量のスクリーンショットを以下に示す。
スクリーンショットの右上より残量は84%である。
5.2.2.残量の変化
6.比較
6.1.残量の比較
両社結果の比較の結果
メーカー | 残量[%] | 最終満充電時間 | 実験終了時間 | 実験時間 | 実験日 |
---|---|---|---|---|---|
ドコモ | 90 | 9:11 | 18:00 | 8:49 | 4月29日 |
OCNモバイルONE | 84 | 9:11 | 18:07 | 8:56 | 4月30日 |
ドコモが90%でOCNモバイルが84%で噂通りOCNモバイルONEの方がバッテリーの消費が高かった。
なお、今回の確認でOCNモバイルは18:00時点でのバッテリーの消費を確認をおこなおうと思っていたが、その時間帯は他のことをしており18:11という11分確認が遅れてしまった。
6.2.残量変化の比較
残量の変化のグラフを以下に示す。
左がドコモで右がOCNモバイル。
特に両社ともグラフの変化的には緩やかにバッテリー残量が減っていて、とある時間帯に急激に減るという事はみうけられなかった。
7.考察
7.1.バッテリー残量の差について
バッテリー残量の差は約9時間で6%の差がついている。この差を大きいとするか、小さいとするかは個人によって変わるかもしれない。
自分的には6%程度なら大して問題ないと許容できる。ただし、iPhoneのバッテリーが劣化した場合はもっと差が多きるなる可能性も出てき、その時は許容できなくなるかもしれない。
7.2.原因の考察~OCNモバイルはグローバルIPを使用している~
ネットではOCNモバイルはグローバルIPを使用しているためにバッテリーの消費が大きくなっているという意見が多数あった。
7.2.1.情報元の確認
この情報はネットのブログでよく見かけるが、情報元はどのからなのか分からなかった。OCNモバイルONEのホームページにもなさそうで、誰かが技術サポートに確認したのか、もしくは予想で言っているのかも不明である。
7.2.2.もらえるIPアドレスのバージョンについて
配布されているIPアドレスがIPv4なのかIPv6なのかの確認をおこなった。ネットでIPv6のアドレスを確認するサイトで実験をおこなったところ、IPv6は配布されていなく、本当にグローバルIPアドレスが配布されている場合、IPv4が配布されいる可能性が高い。
また、いったんOCNモバイルのネットワークを切るとIPアドレスが変わっていたので動的にグローバルIPをもらっていると思われる。
7.2.3.IPv4の枯渇問題
IPv4アドレスは新規に配布するIPv4アドレスがほぼ枯渇している状態であると聞いたことがある。
この状態を考えると、グローバルIPアドレスの配布はIPv6だろうと思っていたが、IPv4を配布しているというので、かなり太っ腹感はありそうな気がする。
www.nic.ad.jp
7.2.4.IPv4のグローバルアドレスを直接もらえるのならセキュリティはどうなっているのか
Windows OSのセキュリティは定期的に自動でアップデートされ、ウイルス対策として標準機能にWindows Defenderが搭載されている。
さらに家や学校/会社で使用する場合、直接インターネットに接続せずにルーターを介して接続するので、ある程度セキュリティが保たれる。
スマートフォンのandroid、iPhoneともにサポート期間範囲内であればセキュリティアップデートが配布されるが、標準のウイルス対策ソフトがないのが気になるところである。
また、スマートフォンは外で使うという性質からルーターを介さず直接インターネットに接続する機会が多いので、Windows OSよりも危険にさらされると思われる。
最悪なのは、サポートの切れた古いスマートホンを使いつづけ、セキュリティアップデートが無い状態で使い続けるのは避けたいところである。
常に最新のOSを使い続けるのが良いと思われる。
むしろバッテリーの消費問題よりもこっちの方が重大だと思われる。
話はそれるが、IPv4のグローバルアドレスを直接もらえるのなら極論スマートフォンにサーバーアプリを構築できればサーバーとしての運用も可能と思われる。この考え方は一部のサーバーマニアだけの考えかもしれないが。
7.2.5.その他思ったこと
正直今回の実験は、私の環境ではバッテリー残量の差は発生しないものと思っていた。
根拠は、主回線の通話回線はOCNモバイルだが、モバイル通信の主回線は楽天モバイルだからである。モバイル通信の主回線が楽天である以上、バックグラウンドでOCNモバイルの通信は多少していると思っていたが、6%という差が出るとは思っていなかった。
8.結論
OCNモバイルのSIMを使うとバッテリーが異常消費するというのは本当らしい。
約9時間でドコモと比べると6%の減りという事で、この消費が大きいか小さいかは人によってとらえ方は分かれると思われる。
バッテリー消費の原因の一つにグローバルIPアドレスの配布であるという噂もあるが、こちらの有力な情報は見受けられなかった。